債務控除(葬式費用)

 葬式費用は被相続人の債務ではありませんが、相続開始に伴って必然的に発生することから国民感情を考慮して債務控除が認められています。

 ただし、債務控除が認めれる対象者及びその範囲は限定されています。

 

債務控除(葬式費用)の適用対象者

 

 債務控除(葬式費用)の適用を受けることができるのは、葬式費用負担者が

・相続人

・包括受遺者

・相続放棄者

・相続権喪失者(相続権を失った者)

 のいずれかに該当し、

 さらに、その葬式費用負担者の納税義務者の区分が、

・居住無制限納税義務者

・非居住無制限納税義務者

・相続開始時に国内に住所を有する特定納税義務者

 のいずれかに該当する場合に限られます。

 

葬式費用の範囲

 

 債務控除の適用を受けることができる葬式費用は「相続税法基本通達」により「葬式費用」として、債務控除の適用を受けることができない費用は「葬式費用でないもの」として、その範囲が区分されています。

 

・葬式費用

・葬式若しくは葬送に際し、又はこれらの前において埋葬、火葬、納骨又は遺がい若しくは
 遺骨の回送その他に要した費用(仮葬式と本葬式とを行うものにあってはその両者の費用) 

・葬式に際し、施与した金品で、被相続人の職業、財産その他の事情に照らして相当程度と
 認められるものに要した費用

・上記のほか、葬式の前後に生じた出費で通常葬式に伴うものと認められるもの

・死体の捜索又は死体若しくは遺骨の運搬に要した費用

 「本葬式費用」「仮葬式費用」「密葬費用」「通夜費用」「納骨費用」「お布施」「会場費」「遺体運搬費」等が該当します。

 

 

・葬式費用でないもの

・香典返戻費用 (香典返し等)

・墓碑及び墓地の買入費並びに墓地の借入料

・法会に要する費用 (初七日法要費用、四十九日法要費用等)

・医学上又は裁判上の特別の処置に要した費用 (遺体解剖費用)

 受取った香典は、贈与税の非課税財産に該当し、相続税の課税財産にも該当しないため、香典返し等は、葬式費用に該当しません。